Project/Area Number |
05710301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
独語・独文学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 伸治 大阪大学, 言語文化部, 講師 (90201186)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 言語学 / ドイツ語学 / 意味論 / 派生名詞 / 名詞化 |
Research Abstract |
本研究は現代ドイツ語の動詞派生名詞が実際にどの様に用いられているかを探る実証的研究である。実例としては、Die Zeit、Der Spiegelなどの新聞、雑誌からおもに-ung、-en、-Oを接尾辞とする動詞派生名詞を文単位で収集した。収集したデータは、当該の動詞派生名詞と共起している冠詞類の種類、2格名詞句の解釈、単数形か複数形かなど、いくつかの付加的情報が付け加えられ、基本的データベースが作成された。これらのデータならびにインフォーマントの協力のもと作られた適格、不適格な作例を考察した結果は現時点において以下のとおりである。 1.結果名詞は原則として複数可能である。過程名詞として用いられた-en名詞は複数形が不可能であるが、-ung名詞は複数形が可能なものと不可能なものがある。2.このことは、-en名詞と複数形が可能な-ung名詞は「出来事」を動詞と同じように把握するが、複数形が可能な-ung名詞は、動詞と異なり、「出来事」を具体性に把握し、指示代名詞などによりその出来事の指示が可能になることを示している。3.-en名詞と複数形が不可能な-ung名詞では基礎動詞の4格目的語項は派生名詞に前置された2格名詞句では現れにくい。 これらの現象は、根本的には当該の動詞派生名詞の名詞性の強さという概念によって統一的に統御されている可能性がある。その場合には、-en名詞は-ung名詞よりも、過程名詞は結果名詞よりも名詞性が弱いことになろう。 本研究の今後の課題としては、名詞性の強さというスカラー的概念のさらに詳しい検証、daB文、zu不定詞を取る動詞の派生名詞はどの様な特性を示すかの考察などがある。
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