言語行為における性差についての社会言語学的方法研究
Project/Area Number |
05710310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
武田 春子 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (40206983)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 言語 / 女性 / フェミニズム / 性 / 性差 / ジェンダー / ことば / 差別 |
Research Abstract |
まず、言語研究に入り込むジェンダー・イデオロギーを明確に意識した欧米1970年代後半以降のいわゆる「フェミニズム言語学」と呼ばれる一連の研究を概観することから始めた。デイル・スペンダー・ジェニファー・コ-ツ、ジョーン・スワンらから最新の理論動向を探った。それとともに、ロビン・レイコフとその系譜に位置づく性差言語学研究(言語行為の性差を強調し、その原因を女性の歴史的・社会的被抑圧状況に帰する研究)の方法に見られる科学的不正確さと、自らの言説の現実構築力に対する無自覚さを批判的に検討した。高度に自己言及的な、かつ科学的な、独自の性差言語学方法論の確立を目指したが、一年間で達成出来るものでなく、今後の課題として残った。 専門家や生活者による、女性というカテゴリーにたいする解釈や定義が、権威ある言説として人々の社会的実践の前提となり、さらにそのことにより社会が男女の二極構造を持つかのように現出する効果について、「言語行為」についての言説に限らず、一般的考察もし、その一部を「性差」(『比較文化キーワード』)にまとめた。また文学上の女性の言語行為に対する言説(批評)の効果を考察したのが、エレイン・ショーウォールターの仕事を吟味した論稿「エレイン・ショーウォールター『女性自身の文学』」である。 さらに、言説がひとの知覚を規定する機能を深刻に受けとめ、言語を変革することを目的に米国で取り組まれて来た「インクル-シブ言語運動」に大きな可能性を感じ、今年度は端緒となる論稿を1本発表し、今後の研究の展開にとって貴重な1歩を踏み出すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)