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第三者異議の訴えの異議事由拡張過程に関する研究

Research Project

Project/Area Number 05720015
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Civil law
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

松村 和徳  山形大学, 人文学部, 助教授 (20229529)

Project Period (FY) 1993
Project Status Completed (Fiscal Year 1993)
Budget Amount *help
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywords第三者異議の訴え / 債権的請求権 / 取戻請求権 / 交付請求権
Research Abstract

今年度の研究は、第三者異議事由の拡張過程とそこでの一般的基準の解明を目的とした研究に従事した。この研究で特に注目したのは、所有権を中心とした物権的請求権を異議事由としてきた第三者異議の訴えが、債権的請求権をその異議事由とするに至った異議事由の拡張過程であった。これまでの研究で明らかとなったのは、次のことである。まずこの過程では、近世初頭の経済的取引の飛躍的発展に伴う商品所有権の地域的に広範な流動という背景が存在した。そこでは、所有権と債権的返還請求権とは分離されることが頻繁に生じ、その結果、所有権についての証明軽減または所有権移転の中間に属する者に執行救済を得させるために、実務上、債権的請求権を有するにすぎない者にも第三者異議の訴えの原告適格が認められるに至り、それは今日的意味における訴訟担当の形により行われた。そして、債権的請求権は物権的請求権と競合しうる取戻請求権(Herausgabeanspruch)と交付をもとめるにすぎない交付請求権(Verschaffungsanspruch)とに分けられ、前者についてのみ第三者異議の訴えが許容された。しかし、その後、後者についても第三者異議の訴えは拡張された。ドイツでは、破産否認権に基づく返還請求権-Verschaffungsanspruch-が異議事由として認められた。この背後には、否認状況における執行排除の必要性という具体的妥当生重視の思考が存在した(もっとも、1990年のBGHの判例はこれまでの判例を変更し、否定説をとり、非難されている)。また、わが国では、こうした権利から出発する思考だけでは第三者異議事由の範囲としては狭いと考え、戦後以降、第三者と債権者との関係における実体的違法性による思考傾向が強まり、平成5年3月4日静岡地裁浜松支部判決はこの思考から債権的請求権一般につき第三者異議の訴えを認める。この結果は、現在執筆中であり、これまでの研究もあわせ論文集にまとめる予定である。

Report

(1 results)
  • 1993 Annual Research Report

URL: 

Published: 1993-04-01   Modified: 2016-04-21  

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