ダイナミック・プログラミングによるリカードウ地代論の分析
Project/Area Number |
05730004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永田 聖二 長崎大学, 教育学部, 助教授 (90192682)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リカードウ / 地代論 / 産業連関分析 / ダイナミック・プログラミング / スラッファ / レオンティェフ |
Research Abstract |
リカードウ体系にかんしては、パシネッテイ以来、さまざまな数理的な定式化が行われてきた。ところが、パシネッテイは、収穫逓減を仮定した新古典派の安直な生産関数を利用して分析をすすめたために、土地の品質の差異をいう根本的要因を、事実上地代論に組み入れることに失敗し、きわめて平板的な分析に終始している。これを批判した森嶋のモデルでさえも、土地の品質の差異を明示的に認めた多部門経済においての分析と行った意味では、パシネッテイの難点を克服したかに思えるが、基本的にはリカードウ体系を「限界的」手法にもとづいて「一般均衡論」の観点からとらえなおしている点からみて、とてもリカードウ地代論を忠実に定式化しているとは思えない。 本研究の目的はダイナミック・プログラミングの手法を利用して、レオンティェフ=スラッファ体系にもとづいて、新古典派流の生産関数にかんする特殊な仮定や「限界的」手法を排除した、リカードウ地代論の数理的な解明をおこなうことにある。 このように、研究課題の中心となるのはリカードウ地代論にかんする経済分析であるから、リカードウ関係図書や地代論関係図書の購入をおこなった(設備備品費)。また、リカードウ地代論関係の資料ならびに意見聴取のために、調査・研究旅費・通信費(その他)を支出した。 さらに、この研究の特色は、「限界的」手法に基づいた従来の新古典派的なリカードウ地代論の定式化とは一線を画して、レオンティェフ=スラッファ体系にもとづいて、線形数学とくにダイナミック・プログラミングの手法を利用しつつ、再生産の観点かリカードウ地代論を数理的に解明し、しかも、その現代的意義を再検討することにあるので、この基本的体系の屋台骨となるレオンティェフやスラッファにかんする図書のほか、線形・非線形計画法やダイナミック・プログラミングをはじめとする数理計画法に関連する数学書の購入もおこなった(設備備品費)。 そして、研究成果をまとめた論文の作成やそれにともなう検討資料の作成のために、フロッピ-・ディスク、インク・カートリッジ、熱転写プリンタ用紙などの消耗品の購入と、研究補助のための謝金の支出、さらに、検討資料の発送に要する通信費(その他)の支出をおこなった。 なお、本研究の研究成果をまとめた論文派、『長崎大学教育学部社会科学論叢』第48号(1994年6月発行予定)に投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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