Project/Area Number |
05730006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西岡 秀毅 大阪府立大学, 経済学部, 講師 (20218118)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 内生的成長 / 最適資本所得税率 / 人的資本 / 物的資本 / 外部性 / 経済厚生 / シミュレーション分析 / 技術進歩 |
Research Abstract |
本研究は内生的成長モデルの枠組みにおいて資本所得課税が技術進歩及び経済厚生に与える影響を分析することを目的としている。人的資本の蓄積過程を明示的に導入することによって内生的成長を可能にするLucas型モデルを想定する。知識のspilloverという外部性を仮定しない場合中央計画経済解と市場均衡解が一致するので,最適資本所得税率は0%となり最適税率の含意に関して外生的成長モデルとの差はほとんどなくなる。しかしながら外部性を導入すると結果は異なってくる。この場合,中央計画経済解と市場均衡解が一致しない。今、非課税経済に固定的な資本所得税率を課すことを考える。ただし,税収は一括的移転支出で返還する。まず外生的成長モデルと同様,異時点間の歪みが発生するので厚生損失が生じる。ところが資本所得課税の導入によって人的資本の蓄積過程にも変化が生じる。それは2つの逆方向の効果である。資本所得課税によって人的資本への投資に比べて物的資本への投資が不利になるので,人的資本への投資が増大する。一方,物的資本の取り崩しによって賃金が下がっていくので,人的資本への投資の機会費用が高まり,人的資本への投資が減少する。どちらの効果が上回るかは各種のパラメター値によるが,ある妥当なパラメターの範囲では人的資本増大効果が上回り,外部性の効果も相俟って経済成長率に正の効果を与え,厚生利得を生じさせる方向に働く。さらに,導入する資本所得税率が低いときはこの人的資本投資増大による正の経済厚生効果が異時点間の歪みによる負の経済厚生効果を上回ることを示すことができる。この時,資本所得税を導入することによって経済厚生が増加する,即ち,最適資本所得税率が正の値をとることになる。これは最適資本所得税率0%という従来の外生的成長モデルの結果とは異なる。本研究では以上の効果を日本経済のシミュレーション分析によって示したものである。
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Research Products
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