Project/Area Number |
05730008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大和 殻彦 東洋大学, 経済学部, 講師 (90246778)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 流通システム / 情報経済学 / 情報交換 |
Research Abstract |
本研究では、高度情報経済社会において重要になってきた流通VANに注目し、単に企業の利益だけではなく、消費者の利益をも考慮に入れた社会全体として望ましい流通VANとは何かを多角的に検討することを主目的とした。以下に記述されるようなモデルを情報経済学とゲーム理論において近年発達してきた手法を用いて分析した。いま、ある財が一つの独占企業によって生産されているものとする。その財を実際に消費者に販売している小売り業者は2社存在する。消費者の財に対する需要は、生産者と小売り業者は完全にはわかっていない。しかし、各小売業者は、消費者の需要についての個人情報(private information)を持っている。このモデルでは、彼らの持っている個人情報を収集し、公開する役割を果たす機関をVANと定義する。 本研究では、生産者主導によって構築される垂直型VANと小売業者主導によって構築される水平型VANの2種類のVANを比較検討する。いま、生産者余剰、小売業者の利益の総和と消費者余剰の合計を社会的余剰を表すものとして定義する。その時、水平型VANの方が垂直型VANよりも社会的余剰が大きくなる、つまり水平型VANの方が社会的に望ましいという結果を得た。 上記の結果は、単純なモデルに関して導き出されたものである。需要関数は線形で、財を生産する企業は一つであり、小売業者の数も二つであると仮定されていた。より一般的なモデルの下で、社会的に望ましいVANの設計についてどのような結論が得られるかを今後の研究課題としたい。また、データを用いたモデルのシュミレーション分析も今後の課題としたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)