Project/Area Number |
05730041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
加藤 竜太 滋賀大学, 経済学部, 講師 (60242971)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 医療の経済分析 / 医療需要 / 医療供給 |
Research Abstract |
1.データ収集・加工・入力に関しては、厚生省を中心とした各省庁からのデータを収集した。データの時系列的不備、並びに収集方法の一貫性の不完全から、予想以上に時間と労力を費やしたが、最終的には経済分析に耐えうる貴重なデータを作成することができた。医療を分析するための経済理論的フレームワークを今後検証する上では、重要な意味を持つと考えられる。 2.数量分析(回帰分析等)については、これらのデータをもとに医療の需要・供給に関する幾つかの結果を得ることができた。医療需要に関しては、第一に、経済全体でみれば国民医療費の対民間最終消費支出比率は今後も増加傾向にあるものの、これを家計レヴェルからみれば、必ずしも家計の消費支出に対する保健医療負担は増加していない点が指摘される。第二に、経済全体での医療費の増大は、高齢化の進展と高額医療の発達・普及によるところが大きい点が指摘されたことである。第三に、各家計は医療価格の上昇に対して、医療サ-ヴィスの購入量を減少させるなど、医療価格の変化に対してかなりの程度まで弾力的である点である。これは各家計は経済合理的に行動している一つの現れとも考えられる。一方、医療供給に関しては、従来の経済理論分析を基礎にして、医療価格(ここでは診療行為別の点数)、医療供給に関する費用(ここでは医師・看護婦・薬剤師等の労働を需要するための費用としてそれぞれの賃金率を考えた)がどのように医療供給に影響を与えるかを考えた。そこでは、診療行為は点数の上昇とともに増加し、賃金の上昇とともに減少することが示された。この結果は医療供給、あるいは病院は医療の質よりもむしろ利潤を追求する動機が強いことを示していると考えることができる。
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