Research Abstract |
可換なNoether環AのイデアルIから定まる次数付き環R(I)=【symmetry】_<n【greater than or equal】0>I^n,G(I)=【symmetry】_<n【greater than or equal】0>I^n/I^<n+1>はそれぞれIのRees環、associated graded ringと呼ばれ、幾何学的観点からみて、非常に重要な研究対象である。一般にRees環R(I)のふるまいは、それに対応するG(I)の性質によって概ね特徴付けられることが、これまでの研究によって明らかにされてきていることから、今回の私の研究では、associated gradedring G(I)の環論的性質を調べるための、実用的な判定条件を与えることを目標とした。以下にその主結果を述べる。 可換な局所環(A,m)のイデイアルIにたいして、lambda(I)=dimA/m【cross product】_AG(I)と定義しlambda(I)をIのanalytic spread という。lambda(I)とht_AIの差ad(I)はIのanalytic diviation と呼ばれ、これはg(I)の解析の困難性を示すバロメーターとなる。私の研究は、1【less than or equal】n【less than or equal】ad(I)の範囲でI^nについての何らかの条件が与えられたときに、全てのn【greater than or equal】1にたいしてI^nの性質を明らかにし、そこからG(I)の情報を引き出そうとするもので、正確には次の様に述べられる 定理 局所環AはCohen-MacaulayでIはそのイデアルとし、ht_AQ<lambda(I)なる全ての素イデアルQ⊇Iに対して、I_Qは高々 ht_AQ個の元で生成されるとする。さらに1【less than or equal】n【less than or equal】ad(I)の範囲でdepth(A/I^n)_Q【greater than or equal】min{ad(I)-n,ht(Q/I)-n}が成り立っていれば次の条件は同値である。 (1)任意のn【greater than or equal】1に対してI^<(n)>=I^nとなる (2)全ての素イデアルQ⊇Iに対してlambda(I_Q)<dimA_Qとなる。 (3)ht_AQ<lambda(I)なる素イデアルQ⊇Iに対してlambda(I_Q)<dimA_Qが成り立つ。 ここでI^<(n)>はIのsymbolic powerといわれるもので、I^<(n)>={x 【not a member of】 A | rx 【not a member of】 I^nfor somer 【not a member of】 A\⊂_<Q【not a member of】MinA A/I> Q}で定義される。実は、定理の条件(1)はG(I)が整域であるということと同値である(Hochster)。
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