Research Abstract |
有限次代数体Kに対して,つぎのようなDiriclet級数etak(s)を考える。 etak(s)=SIGMA__<OMICRON>(O_K:O)^<-S> ここで,O_kはKの整数環であり,OはKの整環全体をわたる.このDiriclet級数etak(s)はオイラー積を持つことがわかる.[K:Q]=nとすれば,etak(s)のオイラーp^-因子の決定は,(n-1)(n-2)/2変数の(3次以下の)連立合同式の解の個数を計算することに帰着される.n=4の場合にこの計算を遂行することに成功して次のような結果を得た.4次体Kに対して,etak(s)はRes>2/3で絶対収束するオイラー積Hk(s),Kのガロア閉包の適当な中間体のデデキントのゼータ関数,およびzeta(4s-2)zeta(6s-3)の積としてかける.ここで,zeta(s)はリーマンのゼータ関数である.したがって,etak(s)はRes>1で絶対収束し,Res>2/3における有理型関数に解析接続される.Res>2/3における極はs=1だけであり,その位数rhoはガロア群が対称群,交代群の場合は1であり,二面体群,巡回群の場合は2であり,(2,2)型アーベル群の場合は3である.この結果と池原のタウバ-型定理を用いれば,4次体Kに整環の個数に関して次のような漸近公式を得る. #{O⊂O_K;(O_K:O)<X}〜ckX(logX)^<rho-1>(X→∞) ここで,ckは正の定数である.以上の結果は専門雑誌に投稿中である.
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