タイヒミュラーモジュラ群を介したガロア群の構造の研究
Project/Area Number |
05740021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 眞 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (70231602)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1993: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ガロア群 / 代数的基本群 / 組ひも群 / モジュライ空間 |
Research Abstract |
有理数体Qの絶対ガロア群の、n点つき射影直線のモジュライ空間M_<0,n>の基本群への表現のLie環化の十次以下の像の次元を決定し、またSoule元の繰り返し積が0にならないことを証明し、94年7月米国Washington大学で開かれたAMS summer confer-ence“Recent Developments in the inverse Galois Problems"にて発表した(論文は現在投稿中)。これは上の表現の像に関するDeligneのmotivicな予想に対していくらか肯定的な証拠をあたえている。また、平面上のn点のモジュライ空間の基本群への有理数体の絶対ガロア群の表現が、射影直線引く三点の場合の表現から完全に具体的に(組合せ群論的に)記述できることを示した(伊原氏との共同研究)。この表現はDrinfeldが量子群のアイデアを使ってカテゴリー論的に構成したGrothendieck-Teichmuller群の組紐群へのactionと完全にcompatibleになっている(上述のconferenceにて伊原氏により発表され、現在論文投稿中)。 さらに最近、種数正の曲線に対しても次のような結果を得た。Xを有理数体上の非特異アファイン代数曲線とするとき、それ上のn点のモジュライ空間の基本群へのガロア群の表現は、射影曲線引く三点への表現とXへの表現から具体的に記述できる。これは伊原氏との上述の結果をアファイン平面から一般の代数曲線に拡張したものであり、これを応用することでガロア表現の固定部分に関する織田予想を部分的に解決することができる。また、この結果によればニつの次元の同じ多様体(すなわち平面上のn点のモジュライ空間と種数の高い曲線上のn点のモジュライ)の基本群の間にはガロア作用と可換な準同型があるにも関わらず、多様体間の射は存在しないという(Grothendieckの予想に関連して興味深い)実例を与えている。これについては現在論文を準備中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)