Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,量子群の表現論を活用して可解格子模型の物理量を計算することであった.私は研究対象として適切と思われる可解模型としてランク一般のA型アフィン・リー環のベクトル表現に対応する1次元スピン鎖模型を選び,同じ大阪大学基礎工学部の伊達教授と共同で,その励起エネルギーなどの物理量をA型の量子群を活用して計算した.そして,その結果を研究発表欄に記した論文として発表することができた. 1次元スピン鎖模型としては,最も有名なものとしてXXZスピン鎖模型があるが,その自然な拡張として我々が考察したスピン鎖模型がある.スピン鎖模型の解析については,それに付随した作用素を対角化することが基本的な問題になる.ここ数年来の京都大学のグループを中心とする研究により,この対角化の問題を量子群の表現論を駆使して解こうという試みが始められた.そして,XXZ模型については上述のグループが一連の計算を行った.これを一般のランクで行なったのが,我々の仕事である.具体的には,基本となる量子群の頂点作用素の期待値を計算し,それをもとに励起エネルギーの計算を行った.さらに,この模型に付随する生成作用素と消滅作用素の交換関係も計算した.我々の模型では,XXZ模型と異なり生成作用素らが複数個でてくる,このような場合についても表現論を駆使して解く試みが適用できることが示されてことは意義があることと思われる. 尚,1次元スピン鎖模型は格子模型ではないが,2次元格子模型と密接な関係があることを付け加えておく.
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