数理物理学に現われる非線形方程式の時間大域解の存在に関する研究
Project/Area Number |
05740084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 満 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助手 (30240732)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非線形双曲型 / 偏微分方程式系 / 離散ボルツマン方程式 / 時間大域解 / 有界 / エントロピー |
Research Abstract |
フランス政府給費留学生として渡仏以来、非線形双曲型偏微分方程式系、特に離散Boltzmann方程式系を研究している。Ecole Polytechnique(パリ理工科学院)Jean‐Michel Bony教授の下、従来の離散Boltzmann方程式の2次形式項に新たに線形項を加えた、より一般的な方程式を、空間1次元の場合に限り取り扱っている。初期値の有界性のみを仮定するため、既存の理論ができず、この方程式に限った基礎理論、局所解の存在、線形項の解析等を構築し、時間大域解の存在、解のL^∞評価、解の漸近挙動を導いた。また、初期値の有界性も仮定せず、初期値の局所エントロピーが有界なことだけを仮定して、時間大域解の存在を導いた。この仮定は、現在考えうる仮定の内でもっとも弱いものであり、この結果は、大域解の存在・非存在の問題を肯定的に解決したことを意味するものである。この研究により、Ecole Polytechnique博士号を授与された。この学位は、日本人としては当然初めてのことであるが、フランス人、日本人を問わず、偏微分方程式専攻として初めてのことである。この学位論文により、散乱作用素の非存在、定常解の周りの解の様子も示され、空間1次元の離散Boltzmann方程式はおおむね解決された。また、東京大学大学院数理科学研究科教授 小松彦三郎先生の下で研究を進め、非線形項を一般の多項式の場合に拡張した方程式系も解析し、時間大域解の存在を導いた。これにより、東京大学より博士(数理科学)を授与された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)