Project/Area Number |
05740090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩下 弘一 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (30193741)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 3体シュレディンガー作用素 / 定数磁場 / Mourre estimate / 漸近完全性 |
Research Abstract |
定数磁場における3体シュレディンガー作用素に対する散乱問題については、系として電気的に中性で、3つの粒子の電荷のどれもがゼロではないという設定において、ポテンシャルが短距離的という条件の下で漸近完全性を示すことができた。方法はDerezinskiのアイデアに沿ったが、既に得ていたMourre estimate が最も重要であり、伝播評価等は磁場がない場合の1次元配位空間における3体作用素に対するものと本質的には同じである。次に、同じ設定で長距離的ポテンシャルを扱うための準備として、1体及び2体作用素について散乱問題を研究した。長距離的摂動の場合には、磁場に垂直な方向には波が伝播しないという非伝播評価を得ることが最も重要になる。粒子の古典軌道を計算し、それに基いて非伝播評価を導くことによって漸近完全性を証明することができた。結果を得た後で、Labaの1体作用素に対する同様な結果を知ったが、Labaの結果とは証明のアイデア自体が異なっている。また、私の方法のほうが証明が簡単でしかもポテンシャルに課す条件も弱くなっている。この1体及び2体作用素に対する結果は雑誌に投稿中である。本来の研究対象である3体作用素の場合でも、非伝播評価が本質的となる。3-clusterに分かれる波に対しては、1体及び2体作用素の場合のアイデアを用いてこれを得、修正波動作用素及びその逆作用素の存在を示せたが、2-clusterに分かれる波に対しては同じ方法が適用できず、現在研究継続中である。一方、1つの粒子の電荷のみがゼロとなる設定では、科学研究費補助金内定時点では、1つのポテンシャルに強い条件を課すことによってMourre estimate を得ていたが、この条件ではクーロンポテンシャルを含まないために取り去るよう試みた。現時点では、局所化するエネルギーに応じて磁場が強ければMourre estimate が成立するというところまで証明できており、さらに研究継続中である。
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