Project/Area Number |
05740099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂本 国望 広島大学, 理学部, 講師 (40243547)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 反応・拡散方程式系 / 特異摂動法 / スペクトル解析 / 界面 / 境界層 / 開放系 |
Research Abstract |
拡散場におけるexcitableな化学反応過程を記述するモデル反応拡散方程式系についての研究を行なった。具体的には抑制因子と活性化因子を含む2変数の反応拡散方程式系で、活性化因子の拡散率が抑制因子のそれと比較して十分小さい場合を考察した。空間次元が1の場合のみ考察した。 この種の問題は、従来、無限領域あるいは有限領域でも「ノイマン境界条件」下で考察がなされて来た。本研究では、「有限領域ディリクレ境界条件」下でのパターン形成の問題を扱かった。応用の観点から述べると、境界条件の違いのもつ意味は小さくない。すなわち、このことは、閉じた系(無限領域、又はノイマン境界条件)と開放系(ディリクレ又はロバン境界条件)では、パターン形成において、どのような違いがあるのかという問題提起と関連するからである。解放系についての本研究において次の結かが得られた。 ・2つの界面をもつ対称な平衡解は存在するが、これは不安定でありパターンとして実現され得ない。閉じた系では、2つの界面をもつ対称なパターンが存在することが知られているが、開放系における違いが出てきている。 ・1つの界面と1つの境界層をもつパターンが存在する。このようなパターンは2つ存在し、お互いが他のパターンの折り返しになっている。 ・数値計算の助けをかりて、上述の対称な平衡解と、これらの2つのパターンを結ぶヘテロクリニック軌道が無限次元相空間内に存在することが確認された。以上、特異摂動法による平衡解の構成と、特異極限スペクトル法による安定性解析を行なった。
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