Project/Area Number |
05740119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
永瀬 範明 弘前大学, 理学部, 講師 (30228019)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 確率偏微分方程式 / splitting‐up method |
Research Abstract |
確率過程の推定の問題において現れるZakai方程式で代表される確率偏微分方程式の研究は、近年さかんに行われており、特に、非線型の確率偏微分方程式に関しては、まだまだ多くの未解決問題が残されている。そこで、私が、今年度取り組んだテーマは、ある種の非線型の確率偏微分方程式の解の存在およびその一意性についてである。 確率偏微分方程式の解の存在を示すために、Picardの方法、Galerkinの方法などで解を近似する方法が、すでに試みられてきたが、私がこの度試みのたのは、splitting‐up methodと呼ばれている方法によってである。 splitting‐up methodとは、確率偏微分方程式を、deterministicの部分とrandomな部分に分離させて、2つの方程式を考え、時間区間を小さく分割した各小区間において、前者については、deterministicな偏微分方程式を解き、後者については、Brown運動の道に沿って方程式を解き、この2つの解を各小区間ごとにうまくつなぎ合わせたものによって、もとの確率偏微分方程式の解を近似するという方法である。 この方法は、有界領域における確率偏微分方程式に対しては、A.Bensoussanが用いたものであるが、今回私は、全空間において同じ方法を用いて、楕円型偏微分作用素にL^2(R^d)の非線型な連続作用素を加えて得られる作用素に関する非線型確率偏微分方程式の解の存在を証明することができた。 解の存在が証明できたので、次に解の一意性の問題を考えたが、これについては、困難な点が多く、これといった結果が得られず、今後の研究テーマとしたい。
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