Project/Area Number |
05740138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
半田 賢司 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10238214)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 非平衡系 / バーガーズ方程式 / ショック |
Research Abstract |
我々が非平衡系として考えたのは、Burgers方程式と呼ばれる偏微分方程式により時間発展が記述される1次元の系である。この方程式は自然科学の様々な分野で現れる、最も基本的な非線形偏微分方程式の1つである。この研究では、粘性零のBurgers方程式の解に生ずるショックについて論じた。このショックの問題は、応用の観点からも重要視される物で、また数学的にも解のショックについてある程度解析できる数少ないケースとして興味深い。実際、初期条件がランダムであるが滑らかさを持つ場合には、Burgersらによりショックの大きさ・生じる位置の分布等についてかなり多くの結果が知られている。 これに対し我々が念頭においたのは、ブラウン運動の見本関数のように、滑らかさを持たない初期条件の場合である。ある物理学者は分数巾ブラウン運動と呼ばれる、ある種の統計的自己相似性を持った初期条件の場合に、ショックを与える点が稠密に存在することや小さなショックの大きさの分布に巾法則が成立するという結果を数値計算により得た。これが実際に成り立っていることの状況証拠として、「ラグランジュ・ショック点の集合のハウスドルフ次元が初期条件の自己相似性の指数Hに等しい」という事が予想されるが、Sinaiは最近の論文でH=1/2の場合、すなわち初期条件がブラウン運動の場合に、これに対する厳密な証明を与えた。彼の証明は非常に複雑であるが、我々は次元の下からの評価がランダムネスの仮定なしに初期条件のヘルダー連続性のみから導ける事を簡潔に証明した。この結果は分数巾ブラウン運動などに対しても適用できる他、初期条件の持つ巾法則とショックの大きさの分布の間に予想される上述の関係の成立を支持する物である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)