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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
カミオカンデを使った太陽ニュートリノ観測は累計1557日のデータを得ており、この観測結果は理論的な予測と比べ、0.514^<+0.043>_<-0.037>±0.061倍であった。そして、他の太陽ニュートリノ実験の結果をも同時に説明するには、ニュートリノに質量や磁気モーメントといった量が必要ともわかった。このうち、質量を持たせ2種類のニュートリノの混合で観測量の不足を説明するニュートリノ振動解では、これまで考えられていた物質中での共鳴振動解と真空中での長波長振動解の2解のうち後者を否定することができた。 また、観測量の時間変動も考えると、磁気モーメントが必要な磁場中でのスピン共鳴振動と物質中での共鳴振動を組み合わせたハイブリッド解が有力と考えられていたが、常識的な太陽磁場の仮定下で、初めて実際にハイブリッド解を得た。マヨラナ磁気モーメント10^<-11>ボ-ア磁子と20から50kGauss程度に変化する太陽対流層(0.65<r/Rsun<1)の磁場を仮定して、太陽磁場の構造に応じて2種類のニュートリノ間の混合、質量差に対し、(1)sin^22theta〜1,deltam^2〜2x10^<-9>eV^2:B_1【less than or equal】1MGauss(Akhmedov type),(2)sin^22theta〜0.01,deltam^2〜6x10^<-8>eV^2:B_1〜3MGauss(Akhmedov type),(3)sin^22theta【less than or equal】6x10^<-2>,deltam^2〜10^<-8>eV^2:対流層のみに一定磁場,(4)sin^22theta【less than or equal】3x10^<-2>,deltam^2〜10^<-8>eV^2:太陽内で一定の磁場、の4つの領域に解を得た。 同時にカミオカンデのデータから太陽反ニュートリノに対しても制限を得た。太陽ニュートリノの予測値と比べて、スペクトルを仮定しない場合で12.5MeVのニュートリノに対し4.5%xMeV、ハイブリッド解を仮定すると約1%の反ニュートリノ生成を否定できた。この制限を使いハイブリッド解を再評価して10^<-11>ボ-ア磁子の磁気モーメントに対し(1)10^<-1.4>【less than or equal】sin^22theta【less than or equal】10^<-0.4>,10^<-7>【less than or equal】deltam^2【less than or equal】10^<-4>eV^2:放射層で3MGauss以上,(2)sin^22theta【greater than or equal】10^<-1.5>,deltam^2【less than or equal】10^<-6.5>eV^2:対流層で50kGauss以上、の2つの領域を否定した。 これらの物理的な結果以外にも、基礎データとして、光電子増倍管や、ケーブル、黒シートなどのカミオカンデの構成材料からでるラドンは微量であり、主なラドン源は外部からの混入であろうという結果も得た。
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