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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
(CBED)(Sr_2Ta_2O_7,Sr_2Nb_2O_7,FeS_2,Mo_8O_<23>,6H-SiC)および積層欠陥(6H-SiC,AlN)の観察を行い、以下の結果を得た。 1.結晶が鏡映面をもつ場合は、コヒーレントCBED図形中の干渉縞の位置は鏡映対称を示す。一方、鏡映面がない場合は、注目する回折波によって干渉縞の位置が対称的であったり対称的でなかったりしており回折図形全体としては鏡映対称を示さない。結晶の映進面を持つ場合は、干渉縞が半周期ずれる。このように、結晶構造因子の位相の対称性がコヒーレントCBED図形中の干渉縞の位置関係として現れることを明らかにした。さらに、世界最小の0.27nmの格子面間隔からコヒーレントCBED図形を得ることに成功した。これらの研究成果を、1993年夏に北京で開催された第16回国際結晶学連合会会議(IUCrXVI)で発表した。 2.コヒーレントCBED法の応用として積層欠陥の観察を行い、積層欠陥に対応した領域の干渉縞は完全結晶の領域の干渉縞に比べてずれていることを見いだした。この干渉縞のずれは、積層欠陥面での結晶周期の不連続性(位相のずれ)に対応していることを明らかにした。このことはコヒーレントCBED法を用いると、これまでの回折強度ではなく位相という新しい観点から格子欠陥研究が行えることを示している。 今回、この科研費で試料のダメ-ジを極力抑えながら薄片試料を作成する装置を購入した結果、これまでよりも良質の薄片試料の作成が容易になり、より多くの物質に対してコヒーレントCBED法が適用できる用になった。
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