Project/Area Number |
05740195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
近藤 一史 佐賀大学, 教養部, 助教授 (40178421)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 陽電子(ポジトロン) / 低速陽電子 / 放射性同位元素 / ^<22>Na / モデレータ / リモデレータ |
Research Abstract |
陽電子マイクロビームを得るためにK.F.Canterが開発した改良型SOA-GUNをもとにして陽電子銃(SOA-GUN)を制作した。低速陽電子を得るための減速材(モデレータ:W foil 6mum)は透過型とした。線源強度3.7mCiの陽電子線源^<22>Naを使用して測定を行ったところ、SOA-GUN出口で低速陽電子3160cpsを得た。モデレータおよびSOA-GUNの変換効率は2.72×10^<-6>となった。得られた低速陽電子をSEL-TTLレンズを組み合わせて導いた。TM法によるシュミレーションでSEL-TTLレンズ出口での測定結果を説明しょうとしたが、完全には一致しなかった。これは、Canterが報告したSOA-GUNのr-theta位相空間の結果が異なっているためと考えれる。そのためSEL-TTLレンズ出口での低速陽電子は1600cpsとなり、ここまでの総合変換効率は1.38×10^<-1>となった。導いた陽電子ビームをCMAで90^°曲げることによりさらに単色化を行った。CMAでの低速陽電子の通過率は97%で、ほとんど損失なく低速陽電子ビームを導いて単色化することができた。さらに、陽電子特有の再放出過程を用いて高輝度化を行った。再放出減速材(リモデレータ:W(110)単結晶)に陽電子ビームを入射させて、再放出した陽電子をSOA-GUNで集束して測定を行った。その結果、リモデレータでの変換効率1.3×10^<-2>を得た。 以上のように、法射線同位元素を用いた陽電子マイクロビームを得るシステムを製作した。低速陽電子変換効率は10^<-5>〜10^<-6>(CMA出口)ならびにリモデレータの変換効率は10^<-2>が得られた。このシステムに再放出過程をもう一段組み込むことで、表面・界面の解析を行なうために充分な陽電子マイクロビームを得ることができると考えられる。また、変換効率はモデレータを充分にアニールすることや、SOA-GUN・SEL-TTLレンズの調整を行なうことで改善することができると考えられる。
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