2次元スピン-フェルミオン模型の磁性と金属絶緑体転移の理論
Project/Area Number |
05740233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋原 浩 広島大学, 総合科学部・文部教官(助手) (40226220)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 超伝導 / スピン-フェルミオン模型 / 酸化物高温超伝導体 / 反強磁性体 / スピン-ポーラロン状態 / フェルミオン・マグノン束縛状態 / マグノン交換相互作用 |
Research Abstract |
La_<2-X>Sr_XCuO_4等の銅酸化物系の低ホール濃度領域において、局在的な反強磁性秩序と金属絶緑体転移が実験的に観測されている。我々はこの問題に関連し、低ホール濃度における反強磁性的な相関が強い方面からのアプローチとして、スピン-フェルミオン模型の次のような基本的な物性を明らかにした。 (1)反強磁性相内においてマグノンとフェルミオンの束縛状態が形成されることが摂動論の不安定性により予想されていたが、我々は基底状態からのアプローチによりその存在を明らかにし、磁性不純物が希薄な系におけるスピンとフェルミオンの局在的な束縛状態とは対照的に、この束縛状態が波数kによって指定される非局在的なものであることを示した。スピンとフェルミオンの相互作用J_Kが反強磁性的な場合には束縛状態はsinglet成分を含むものになり、強磁性的な場合はtriplet成分のみのものになるということや、3次元の場合に束縛状態ができるためのJ_Kの最小値の大まかな値などの新しい結果が得られた。 (2)スピン-ポーラロン状態に関連し、マグノンを媒介にしたフェルミオン間の相互作用を調べ、さらに、その有効相互作用を媒介にした超伝導について、それまでの理論では考慮されていなかったtwo magnon exchangeの寄与も含めるなど系統的な研究を行い、このような超伝導が実際に観測される可能性を議論した。two magnon exchangeの寄与は定性的にも無視できず、低ホール濃度においてはこの寄与により、tripletの対称性の対が形成されることなどがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)