秩序化ダイナミックスにおける不純物効果の理論的研究
Project/Area Number |
05740247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早川 尚男 東北大学, 理学部, 助手 (90222223)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スカラー秩序変数 / 秩序化ダイナミックス / ランダムな不純物 / 特性長の凍結 / 熱揺らぎの効果 / 対数的成長 / 長距離相互作用の影響 / 粉粒体の動力学 |
Research Abstract |
本研究ではスカラーの秩序変数をもつ双安定系における秩序かダイナミックスにおける静的ランダムな不純物の効果を数値的、解析的に研究した。 解析的側面においては、ランダム媒質中の高分子の閉じ込めの問題との類似性に着目して熱的揺らぎが効かない場合の秩序化ダイナミックスの理論を構成し、系の発展を特徴づける特性長の時間発展が不純物の存在によって凍結すること、特性長が不純物濃度と時間によってスケールされることを予言し、従来のシミュレーションとよい一致を見た。 数値的研究に関しては、不純物を含む系の数値シミューレーションを精力的に行って以下の知見を得た。(1)理論で予言された通り、熱揺らぎの効果がない場合は特性長の時間発展は凍結すること、(2)熱揺らぎの効果が無視できない場合、ダイナミックスは不純物によってピン止めされた界面が熱揺らぎによって駆動されるという過程に律速されること、(3)その場合の特性長の時間発展は時間の対数の巾乗で現されること、(4)その対数の巾の指数は従来の理論で信じられたものに比べ小さく、普遍的でないことなどを見い出した。 現状では不純物を含む系の秩序化ダイナミックスの問題に対する理解は部分的、断片的であり充分なものとは言えない。この難問は今後も継続的に研究される価値があるものと思われる。 尚、本研究課題に関連して、秩序化ダイナミックスにおける長距離相互作用の影響や粉粒体の動力学の問題に関しても研究代表者は精力的な研究を行い、少なからず論文を残しているので研究発表の項を参考されたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)