Project/Area Number |
05740256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助教授 (30178628)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水素結合 / 1 / f雑音 / 自己秩序臨界状態 / 巡回セールスマン問題 |
Research Abstract |
(1)ネットワーク構造を格子上の0または1の変数で表したモデルを分析した。結合マップ法によってこの模型の動的揺らぎが調べられ、分子動力学計算で見いだされたのと同様な、エネルギーの1/f揺らぎが確認された。この模型におけるネットワークの空間構造の動的揺らぎとエネルギー揺らぎの相関が分析され、(a)ネットワークの組み替えが盛んに起こる領域は局在していて、時間とともにその領域は変化、移動する。(b)ネットワーク構造の空間的変化の規模は階層的な分布をしており、小規模で頻繁な変化と大規模でまれな変化が共存している。(c)氷に近い秩序が発達しかけたり、消えたりする揺らぎがネットワークの大規模な構造変化とエネルギーの長時間変化の原因になっている。など新しい知見が得られた。 (2)水分子間のネットワークを複素数の場の変数で表す手法がさらに発展させられ、(a)過冷却水の熱力学的異常の起源について新しい機構が提案された。分子密度の相関関数や、結合の分布の相関関数に異常がない場合でも、この模型の基本的物理量である場の変数の相関関数には異常が発生しうること、それが熱力学量の異常を説明しうること、が示された。(b)複素数の場に存在しうるトボロジカルな励起の性格が分析され、水和構造や溶質間相互作用との関連が示された。
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