相転移のモンテカルロシミュレーションへのベイズ推定の応用
Project/Area Number |
05740259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊池 誠 大阪大学, 理学部, 助教授 (50195210)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 臨界現象 / モンテカルロシミュレーション / 動的臨界指数 / イジング模型 / 統計的依存性 |
Research Abstract |
本研究ではベイズ推定を臨界現象のモンテカルロシミュレーションに応用するための研究を行った。残念ながら、本年度はベイズ推定を実際に応用するところまでは至らず、そのための準備となる基礎的な研究を行うことにとどまったが、いくつかの興味深い結果を得た。内容としては、ヒストグラムを用いた温度内挿法の再検討と、時系列解析のための新しい方法の開発・応用である。以下に得られた結果をまとめる。 1.ヒストグラムを用いた温度内挿法の再検討 これについては、特に内挿による誤差の伝播について検討を行った。ヒストグラムの使用にあたっては多くの任意性があり、その任意性を減らすためにはベイズ統計の立場が有効であろうと思われるが、実際の処方を提案するには至らなかった。 2.時系列解析のための新しい方法の開発・応用 時系列解析で最も重要な量のひとつである平衡緩和時間を計算するための全く新しい手法を開発した。ここでは、統計的依存時間と呼ぶ新しい物理量を導入し、これをシミュレーションで計算することにより、従来のように緩和関数を計算することなく、平衡緩和時間が計算できる。この方法を二次元および三次元の動的イジング模型に応用し、有限サイズスケーリングにより、動的臨界指数の値を非常に精度よく計算した。また、シミュレーションによって感受率を計算する際の系統的誤差を定量的に見積もる方法を得た。また、本方法とベイズ推定を組み合わせることにより緩和時間スペクトラム全体の解析が可能であると考えられ、具体的な方法を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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