Project/Area Number |
05740264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
加藤 勝 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90204495)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シュミレ-テッドアニーリング / ハバ-ドモデル / 不整合スピン密度波 |
Research Abstract |
本研究では、アニーリング法を用いて相互作用のある電子系において、大域的な安定状態を求める方法を確率することを目的としている。今年度は、まず、絶対零度における基底状態を平均場近似の範囲以内で、dynamical simulated annealing法を用いて数値的に求める方法を三角格子Hubbardモデルに適用した。6×6の周期的境界条件を課した三角格子上に、電子数がハーフフィルドのときにon-siteクーロン力Uを変えて行くと、U賀大きいときには120o 構造が安定となり、Uが小さくなるとすべてのサイトに磁気モーメントが生じるのではなくて、部分的に二つの隣り合ったサイトに反強磁性的にモーメントが生じた状態が安定になることがを見い出した。 次に、有限温度における安定状態を見つけることにアニーリング法を応用する仕方を考えた。それは密度行列を使う方法で、有限温度での系の状態を、混合状態の密度行列で記述する。例えばハバ-ドモデルの平均のエネルギーは縮約した1次の密度行列と2次の密度行列で書ける。ここで、反対称化した1次の密度行列 の横で2次の密度行列を近似する。このとき、自由エネルギーは1次の密度行列の固有値と固有状態で書き表せる。この固有値と固有状態を確率変数として、モンテカルロ法を行い、モンテカルロ法における温度を徐々に下げれば物理的な温度における安定状態が得られる。この方法を正方格子ハバ-ドモデルでハーフフィルドからずれたときの場合を調べ温度を絶対零度から増加させていったときに絶対零度で安定であった不整合スピン密度波状態が不安定になりスパイラルスピン密度波状態を経て一様なNeel状態が安定になり、その後磁気秩序が消失することを見い出した。 その他、有機導体(DCNQI)_2Cuの相図を説明する現象論を見い出した。
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