Project/Area Number |
05740309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Space and upper atmospheric physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (40217857)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 大気重力波 / 大気潮汐波 / MSTレーダー / MFレーダー / 大気物理学 / リモートセンシング |
Research Abstract |
これまで、京都大学(35°,135°)のMUレーダーとオーストラリア・アデレイド大学のMFレーダー(35°,138°)での夏および冬のキャンペーン期間の観測から、高度68-80Kmの短周期重力波(周期2時間以下)重力派の強度や伝搬方向の比較を行なっていたが、本研究では、両レーダー観測点での定常観測のデータをデータベース化して、周期の長い重力派も含め、また季節変化を含めた気候学的な比較を行なった。MUレーダーは1985年から1988年の定常観測のデータをアデレイドMFレーダーは1992年の一年間のデータをデータベース化し、全く同じ手法のスペクトル解析で高度・時間分解能を揃えて解析し、重力波を約10分から8時間までの周期について季節変化を含めて比較した。 その結果、重力波強度はすべての周波数で春、秋に小さく夏、冬に強い半年周期変動をしているが、そのパターンは周期や南北半球で異なり、京都ではどの周期でも夏の時期(6月)に最大になるが、アデレイドでは長周期重力波は南半球の夏(1月)、短周期のものは冬(6月)に最大になることが判った。また、両観測点での平均した重力波エネルギー強度の比は1割程度の差の範囲内で一致し、南北半球間での中間圏重力波エネルギー差が見出されないことを示した。 このことは、大気潮汐波の南北半球間の振幅差が重力波の強度差による粘性の差に基づくとする従来の説を覆するものであり、今後さらに幅広い観測と理論的考察により解明すべき課題を提起した。 また、重力波の水平伝搬方向はアデレイド、京都それぞれで季節毎に大きく変わるが、京都では全体に南北に、アデレイドでは南北方向に偏っていることが示され、重力波の起源を探る重要な事実を得た。
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