Project/Area Number |
05740321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安藤 寿男 茨城大学, 理学部・地球科学科, 助教授 (50176020)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 白亜紀 / 蝦夷累層群 / シーケンス層序学 / 化石相 / 北海道 |
Research Abstract |
北海道空知背斜地域、大夕張地域〜穂別地域の函淵層群について野外地質調査を8月に集中的に行った。露頭・ルート毎に推積相を認定しシーケンス境界面を追跡した。また、化石産地では産状の観察を行い、標本を採取した。約30ルートの調査結果から函淵層群の南北約60kmにおよぶ推積相分布が明らかとなった。推積相の垂直・水平分布から、推積シーケンスの形態・推積体の構成や境界面の3次元的分布等を推定することができた。空知背斜地域では東側に限って低海水準期推積体(LST)三角州の河川〜浅海成層が楔形に発達する。海進期推積体(TST)は背斜地域に広く発達し、下方侵食谷を埋積する。高海水準期推積体(HST)は全域に発達し、3つのパラシーケンス(PS)からなっている。函淵層群はカンパニアン後期(ca80Ma)からマストリヒシアン前期(ca70Ma)にかけての1回の海水準変動を反映した第3オーダーの推積シーケンスであることが判明した。こうした成果は推積学研究会報に概要を報告した。 一方、大夕張地域では地層の分布が南北で、推積時の海岸線に平行なため、空知背斜地域とは同等に比較できないが、基本的に空知背斜のシーケンス層序が適用できる。つまり、LST,TST,HSTの順に重なる、一回の推積シーケンスである。ただし、TSTは一般的に薄い。HSTが厚く発達し、少なくとも4つのPSが上方に累重している。 函淵層群は化石の産出が限られているが、シーケンス層序に位置づけると、従来あるいは今回採集された材料はHSTの浅海生の底生・遊泳生物群集である。三笠層化石相分布については、安藤(1990)の結果に重ね合わせると、同じくHSTの群集とみなされる。
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