Project/Area Number |
05740341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
日高 洋 東京都立大学, 理学部, 助手 (10208770)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ウラン鉱床 / 安定同位体組成 / 質量分析 / 希士類元素 |
Research Abstract |
ウラン鉱床の成因には未だ地球化学的に解明されていない点が多く残されている。本研究ではウランと希士類元素の化学的な挙動に類似点があることに着目し、ウラン鉱床の成因とその希士類元素存在度との地球化学的な関連性について調べた。 アフリカ、アメリカ合衆国、カナダ産のウラン鉱床試料17種について、その希士類元素存在度の詳細な定量分析をおこなった。本研究で用いた試料は主にフランス原子力庁を通して入手した。試料を酸分解し、イオン交換によって希士類元素を抽出した後、熱イオン化質量分析計(TIMS)と誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いて14種の希士類元素を精密に定量し、その希士類元素存在度パターンを求めた。その結果、カコウ岩やペグマタイトなどと共生して産しているウラン鉱床の希士類元素存在度はほとんどが中希士にピークを持つ「吊り鐘状」のパターンを示すのに対し、堆積性のウラン鉱床のそれは軽希士上がりのパターンを示すものが多いことが確認できた。特に「天然原子炉」として知られるアフリカ・ガボン共和国オクロのウラン鉱床においては、その希士類元素存在度パターンにランタニド・テトラド効果をはっきりと認めることができ、鉱床形成時に鉱液が天然水や堆積層中の有機物と強い相互作用を受けたという可能性を強く示唆する結果が得られた。また、希士類元素はその核的性質として中性子捕獲反応断面積の大きい核種が多いため、原子炉を連続的に反応させるうえで妨害を与える「中性子毒」として作用することが知られているが、オクロ鉱床はその他のウラン鉱床と比べて希士類元素の存在度は1/10〜1/1000倍程度低いために原子炉として臨界に達し得る特殊なウラン鉱床であることが明らかとなった。
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