Project/Area Number |
05740361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野崎 浩一 大阪大学, 教養部, 助手 (20212128)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ルテニウム錯体 / ロジウム錯体 / 分子内電子移動 / 誘電緩和時間 / 圧力効果 / 温度変化 |
Research Abstract |
Ru(II)とRh(III)のビピリジン錯体を(ピリジルベンズイミゾイル)アルカンで架橋した2核錯体を合成し、(2核間の距離は11-15A)、光導起電子移動速度(k_<ET>)と逆電子移動速度(k_<BET>)の溶媒及び温度依存性をピコ秒レーザホトリシスにより求めた。kETはノーマル領域にあり、エタンでつないだ錯体では溶媒の誘電緩和時間と相関がみられ、溶媒モードとカップルして起こる断熱的な電子移動過程であることが解った。核の因子を連続誘電体モデルにより見積り頻度因子の溶媒依存性を求め、これを最新の理論と比較すると、ニトリル系溶媒では溶媒分子の回転緩和と縦緩和の両方により頻度因子が決定されているのに対し、水中では縦緩和のみに支配されていることを見いだした。一方、逆転領域にあるkBETについては全く溶媒依存性が見られない。これは、逆転領域での電子移動は溶媒モードの影響を受けにくいという最近のJortnerらの理論的予言と合致する。また、k_<BET>の温度依存性の測定により、距離の増加とともに活性化エネルギーが減少するという興味ある結果が得られ、逆転領域における電子移動速度の距離依存性を支配する因子について定量的に議論した。以上の結果は光化学討論会に報告し、学会誌に投稿準備中である。 2.現在、電子移動過程における核の変位置や状態間相互作用の大きさが電子移動速度をどのように支配するかを明らかにできる新しい手法の開発が待ち望まれている。報告者は、系に高圧をかけることでこれらの因子を自由に変化できることに着目し、サファイヤアンビルを使い、2GPaまでの高圧下でピコ秒及びナノ秒レーザーホトリシスが行えるような測定システムの制作を行った。最近、[Ru(bpy)3]_2・Co(cn)_6・CIの複錯体塩中における電子移動速度が大きな圧力効果を示すことを見いだし、現在検討を行っている。
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