Project/Area Number |
05740369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中嶋 敦 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30217715)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水銀原子 / アマルガムクラスター / 質量スペクトル / 電子殻構造 / 幾何構造 / インジウムクラスター / 高温パルスノズル |
Research Abstract |
本研究では、(1)水銀原子をインジウム元素またはアルカリ金属元素のクラスターに混ぜ、その安定性を調べる、(2)高温パルスノズルを用いて水銀クラスターを生成させる、の2点に重点をおいた。 ナトリウムおよびインジウムクラスターの生成にはレーザー蒸発法を用い、水銀原子はそれぞれの試料棒に予め付着させ、同時にレーザー蒸発させて導入した。また、新たに開発した高温パルスノズルを用いて水銀を気化させてビームとし、ノズル直後でイオン化して水銀クラスターイオンを生成させた。特に、本研究では質量分布の自動解析システムをパーソナルコンピューターによって構築した。その結果、インジウム-水銀アマルガムクラスターの生成に成功し、また、摂氏280度以上の加熱によって水銀イオンビームが生成でき、水銀13量体まで発生させることができることがわかった。以下に、インジウム-水銀アマルガムクラスターの結果について述べる。 インジウム-水銀クラスターではインジウムクラスターに水銀原子が2個まで付着したアマルガムクラスターを生成させることができ、その質量分布からクラスターの安定性が2つの要因によって決まっていることがわかった。まず、In_nHg_mクラスターの6-1、9-1、19-1は負イオン、正イオン、中性すべての荷電状態で安定に生成することから、幾何学的な安定構造をとっていることがわかった。また、水銀原子を2個含む正イオンクラスターではクラスター中の価電子によって電子殻構造が形成されて電子的な安定構造をとっていることがわかった。これらのことは水銀原子数が増加するに連れて水銀クラスターが金属的になることと対応していると考えられ、さらに多くの水銀原子をクラスターの中に混ぜることが重要であることを示している。
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