レーザー光強照射による原子価欠損型反応性中間体の光励起状態における新反応の開発
Project/Area Number |
05740395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 好恒 広島大学, 理学部, 助手 (00209131)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レーザー / 原子価欠損型反応性中間体 / ラジカル / 励起状態 |
Research Abstract |
レーザー光照射によって生成する原子価欠損型反応性中間体として、よく知られているビラジカルを選んだ。ビラジカルの親分子としては典型的な反応性分子であるベンゾフェノン(BP)とジフェニルメタン(DPM)をn個の原子の鎖でつないだ分子(BP-n-DPM)を新規合成した。この分子はパルスレーザー光照射によってBPがDPMから水素を引き抜いてビラジカルを生成する。このビラジカルを構成しているラジカルの一つであるBPケチルラジカルは〜600nmに特有の蛍光を発する。そこでこの蛍光を指標にすればビラジカルの光励起状態の反応性を調べることが可能である。まず、研究実施計画書通り反応性中間体の光励起状態を選択的にしかも高濃度に作るために、2台のパルスレーザー光を時間的に少しずらしてサンプル溶液に強く照射した。2台のパルスレーザーを照射するタイミングは本研究費補助金の購入物品であるデジタルディレイジェネレータを用いて行った。しかし、これだけの条件では不活性溶媒であるイソペンタン中でもビラジカル光励起状態の存在時間が数ナノ秒しかなく、このままではその光励起状態から新しい化学反応を起こさせるだけの時間的余裕がない。そこで寿命を延ばす手段として、励起三重項分子からそのエネルギーをこのビラジカルに移す方法でビラジカル励起状態の寿命を延ばすことを試みた。この方法によると寿命は数千倍長い数マイクロ秒までに延びた。このことは励起状態から新反応が起こる可能性を持った土台を作ったことを意味し、新反応の開発に際しこの方法が非常に有効な手段であることがわかった。そしてこの寿命の長くなった励起状態は磁場の存在下に於ては更にその寿命が延び反応性が変化することがわかった。以上のようにエネルギー移動を用いることで光励起状態という新反応場を開発することができた。一方、励起状態反応性の励起波長依存性は見られなかった。
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Report
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Research Products
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