酸素とケイ素の親和力を利用したビニルシランの立体制御。立体選択的exo-四置換二重結合生成への展開
Project/Area Number |
05740400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 京都大学, 工学部, 助手 (70237303)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヒドロキシシラン / ビニルシラン / エキソ四置換二重結合 / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
エキソ四置換二重結合の立体選択的合成は、現在の有機合成化学に残された大きな問題である。我々はこの問題に対する一般的な解決法を明らかにすることを目的として、立体化学の明確なビニルランの合成と、その炭素ケイ素結合の立体特異的な炭素炭素結合への変換を研究した。まず、立体化学の明確なビニルシランンの合成法として、アルファヒドロキシシランの脱水反応を検討した。原料となるアルファヒドロキシシランは、2-アセチルシクロアルカノンへのトリメチルシリルリチウムの付加反応により合成した。この付加反応により得られた化合物は、スレオ体が圧倒的に優先した。ジアステレオ異性体のエリスロ体は、スレオ体の塩基触媒による異性化により効率良く得られた。アルファヒドロキシシランの両異性体をメシルクロリド、トリエチルアミンで処理したところ、立体特異的に脱水反応が進行しそれぞれEおよびZ体のビニルシランが得られてきた。一方、酸触媒を用いた脱水反応では、出発原料の立体化学に関係なくZ体のビニルシランが優先的に生成するという極めて興味深い結果を得た。この酸触媒下での脱水反応におけるZ選択性は、Z体の熱力学的安定性に因ることがab initio計算により明らかにすることができた。得られたZ体のビニルシランを還元してガンマヒドロキシシランとした後に、パラジウム触媒を用いたクロスカップリング反応により目的とするエキソ四置換二重結合を有する化合物を合成することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
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