酸化物融体の高温(〜1800℃)・多核NMRによる構造とイオンの運動形態の研究
Project/Area Number |
05740407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前川 英己 北海道大学, 理学部, 助手 (60238847)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高温(〜1800℃) / NMR / マグマ / 酸化物融体 / イオンの配位数 / 動力学 / 多核NMR |
Research Abstract |
本研究では、けい酸塩等の高温酸化物溶融体について、その微視的構造や構成イオンの運動形態を知ることを目的として、ガラスから出発し、ガラス転位点を越えて過冷液体ついで液体に至る過程をNMRで追跡するため、高温NMR試料導入装置の試作、測定を行うことを目的とした。従来、溶融した試料を急冷し、高温での構造を保存していると仮定し、種々の測定が行われて来たが、ここでは、高温下での直接観察を行ったことに特色がある。 本得られた成果をまとめると次のようである。 1.ナトリウムほう酸塩融体の動力学 典型的な無機ガラス形成化合物であるほう酸塩融体について^<11>B核のNMR緩和時間測定からほう素原子の運動形態に関する知見を得た。その結果、従来有機化合物ガラスで観測されていた2種類の緩和過程、alpha-及びbeta-過程の両方が無機ガラスにも存在していることが明らかになった。また、その時のalpha-過程の詳細について、動力学モデルによる説明を試みた。 2.けい酸塩融体の構造解析 各種組成のけい酸塩融体について^<23>Na核のNMR測定を1700℃までの温度下で測定した。その結果、^<23>Na NMRの化学シフト値は大きな組成依存性を示した。並行して行った構造既知の結晶のNMR測定から得られた化学シフト値と比較することで、融体中のナトリウムイオンの配位数が7程度であることが見積もられた。また、^<23>Na NMRの緩和の活性化エネルギーは、ナトリウムイオンの拡散の活性化エネルギーと非常に良く一致した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)