酢酸ルテニウム常磁性二核ユニットと有機ラジカル配位子からなる一次元ポリマーの合成
Project/Area Number |
05740413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
半田 真 島根大学, 理学部, 講師 (70208700)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トリフルオロ酢酸モリブデン / ピバル酸ルテニウム / 4,4'-ビピリジン / TEMPO / 架橋配位子 / 軸配位 / ポリマー / 有機ラジカル |
Research Abstract |
Ru_2(O_2CR)_4^+は三個の不対電子を有するので、有機ラジカル配位子で連結すれば磁性的に興味ある性質が期待できるというのが本研究の目的であったが、その目的遂行のための前段階の研究に於いても興味深い知見が得られた。以下に示す 1.トリフルオロ酢酸モリブデン(Mo_2(O_2CCF_3)_4)と4,4'-ビピリジン(bpy)とからなる錯体の結晶構造 トリフルオロ酢酸モリブデンに、架橋配位子として4,4'-ビピリジンをアセトニトリル中反応させ、そのX線結晶解析を行った。その結果、結晶内には[Mo_2-(O_2CCF_3)_4・bpy]_nのポリマーとMo_2(O_2CCCF_3)_4・(bpy)_2のダイマーが共在することが分かった。酢酸モリブデン(Mo_2(O_2CCH_3)_4)とbpyの組み合せではポリマーのみを生成することから、その違いは注目に値する。即ち、カルボン酸(^-O_2CR)の置換基Rの選択によりその結晶構造を制御できることになる。この結果はChemistry Letters(1993年p1969-1972)に報告した。 2.ピバル酸ルテニウム陽イオン(Ru_2(O_2CCMe_3)_4^+)有機ラジカルTEMPO(2,2,6,6-tetramethyl-l-piperidinyloxy radical)を軸配位させた錯体 Ru_2(O_2CCMe_3)_4)BF_4に有機ラジカル配位子としてTEMPOをベンゼン中反応させた。元素分析より[Ru_2(O_2CCMe_3)_4・TEMPO・H_20]BF_4の組成と考えられた。磁化率の測定結果はRu_2(O_2CR)_4^+とTEMPOの間に比較的強い反強磁性的相互作用の存在を示唆した。これまでのRu_2(O_2CR)_4を^+を架橋配位子で連結したポリマー錯体ではRu_2(O_2C-R)_4^+間の磁気的相互作用はさほど大きくないことが報告されている。今回の結果は、有機ラジカルをポリマー合成の架橋配位子として用いることによるポリマー内の十分強い磁気的相互作用の発現を期待させる。現在X線結晶解析に適す単結晶の作成中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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