金属単結晶電極を利用したレドックス種の吸着に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05740425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北村 房男 東京工業大学, 大学院・総合理工学・研究科, 助手 (00224973)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 単結晶電極 / ビオロゲン / 吸着種の電極反応 |
Research Abstract |
固体電極との比較のために、まず従来の研究により特有の吸着波を示すことが分かっている水銀表面での吸着種の状態についてさらに検討をすすめた。これまでに、アルキルビオロゲン類が強く吸着し、サイクリックボルタモグラム(CV)上で非常に特徴的な吸着波を与えるため、モデル系として優れている事を明らかにしてきたが、表面での分子配向や吸着種間での相互作用に関する直接的な知見はえられていなかった。そこで、この系に対し、赤外反射法による電極表面の“その場"測定を行い、分子の吸着状態を検討した結果、これらを明らかにする事ができた。また、この吸着安定性にはアルキル側鎖部の寄与が重要である事に着目し、アルキル鎖をシクロデキストリンを用いて包接させ立体的に阻害した結果、側鎖部分はビピリジン環部分の酸化還元反応に伴い包接から脱するという事もCVのダイナミックな測定法により明らかになった。これらの結果に基づき、分子間相互作用を考慮したCVの理論式と実験値との比較により、速度定数の評価を行なったところ、赤外反射測定による結果とよく一致する計算パラメーターを用いた場合に実測値を最も良く再現することができた。 以上の結果を踏まえて次に、金または白金の単結晶電極を用いてビオロゲン吸着種の挙動を検討した。白銀単結晶表面では期待されたような鋭い形状の吸着波は測定されなかった。このことは、吸着過程には下地表面原子配列の規則性のみならず下地金属との親和性が重要である事を示すものである。しかしながら、結晶面に応じて、また支持塩の種類に応じて、吸着波の形状や電位位置が異なって現れることははっきりと認められた。このことは、両親媒性フェロセンの白金単結晶表面での吸着挙動においても観察されており、多結晶表面とははっきりと異なるCVが得られ、下地原子配列の影響が吸着状態に反映されるという確証を得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)