Project/Area Number |
05740507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 栄 岡山大学, 理学部, 助手 (20226989)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | MSH / RECEPTOR / CLONING / FROG / GENOME / PHYLOGENY |
Research Abstract |
本研究課題では、当初アマゲエルのMSH標的細胞を同定するプローブを得るため、受容体cDNAのクローニングを計画していた。しかし、最近、哺乳類のMSH受容体遺伝子が遺伝子群を為し個々が細胞種特異的に発現すること、それらがいずれもイントロンレスであることが報告されたことから、クローニングの対象をゲノムDNAに変更した。実験は、まずマウス色素細胞由来のMSH受容体cDNAをプローブとしたゲノミックサザン法による相同配列の検出を試みた。その結果、微かな陽性シグナルが観察されたが、関連配列(遺伝子群)の検出までには至らなかった。これは、用いたプローブが異種生物由来のDNAであったこと、非RI検出法(酵素抗体法)であったことなどによる低検出感度に原因があったと考えられる。そこで、次にlambda-GEM11をベクターとするゲノムDNAライブラリーを作製し、直接遺伝子のクローン化を試みた。その結果、構造の異なる2種類の遺伝子に由来する数クローンを得た。その構造解析から、興味深いことに両遺伝子とも複数コピータンデムにゲノム中に存在することが明らかになった。これらの遺伝子が機能しているのか否か、更に発現細胞の同定は今後の課題である。 MSHの生理的作用は、進化により多様化がみられることが知られる。哺乳類でクローン化されたMSH受容体遺伝子群が互いに相同性を示すこと、および本研究で得られた知見、即ち両生類に於いて受容体遺伝子の増幅が観察されたことを総合すると、MSHは、その受容体遺伝子の増幅と分化によって機能の多様化を獲得したものと考えられる。今後は、更に系統発生学的にこの遺伝子の存在様式を解析し、上述の仮説を立証すると共に、本研究で得られたDNAをプローブとして用い、MSH標的細胞同定、機能検索を行いたいと考えている。
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