Project/Area Number |
05740529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
人類学(含生理人類学)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北川 賀一 長崎大学, 歯学部, 助手 (70186237)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 乳歯 / 歯冠計測値 / 地理的変異 / 時代変化 / 主成分分析 |
Research Abstract |
1.歯冠近遠心径、頬舌径20項目について、1つの集団の53個体(うち28個体は欠損値があり(5項目以下)、重回帰分析による推定を行った)による主成分分析を行った。相関行列からの分析では第4主成分まで固有値が1以上だった。第1、第2主成分は、従来の近遠心径だけによる分析と同じく、全体のサイズ、切歯と臼歯のプロポーションを表していたが、第3、第4主成分はそれぞれ乳犬歯の唇舌径、近遠心径を反映しており、乳犬歯に関しては近遠心径と唇舌径が独立の要因に支配されていることが示唆された。この結果は1集団から得られたものなので、普遍的なものかは不明であり、今後、他の集団についても頬舌径を含めた分析を行う必要がある。 2.研究代表者自身が計測した7集団含む64集団で歯冠近遠心径、頬舌径20項目の平均値から主成分分析を行った。第1主成分は全体のサイズ、第2主成分は前歯と後歯のプロポーション、第3主成分は主に下顎第1乳臼歯の頬下径の大きさを反映していた。中期旧石器時代以降のデータがあるヨーロッパと西アジアでは、乳歯にサイズの減少は金石併用期あたりまでで、それ以後は余り変化がみられなかった。一方、前歯と後歯のプロポーションではアジア系の集団とヨーロッパ、西アジアの集団が明瞭に区別された。このプロポーションに関して、アフリカ、インド、オーストラリア先先住民は、アジア系とヨーロッパ系の中間にくる。第3主成分の下顎第1乳臼歯の頬下径については、1の分析ではこのような主成分は得られておらず、分析に使ったデータによるとも考えられるが、ヨーロッパ、西アジアの集団では時代と伴に下顎第1乳臼歯の頬舌径が増大する傾向にあり、時代変化を表しているのかもしれない。なお、各集団の平均値をZスコアに変換し、1の分析の因子負荷量をかけて主成分得点を求めプロットしてみたが、やはり平均値からの分析に比べ解釈しにくい結果だった。
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