リチウム電極表面反応のその場赤外電磁場分光法による分子論的研究
Project/Area Number |
05750020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 裕史 東北大学, 工学部, 助手 (50236022)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リチウム / 電極表面反応 / その場赤外分光法 |
Research Abstract |
Li2次電池の高性能化に向けて、電極表面反応を原子・分子レベルでその場で捉える赤外電磁場分光法のための基礎研究を行った。参照電極および対向電極に金属Liを使用し、過塩素酸リチウム(LiCIO_4)0.5mol/lプロピレンカーボネート(PC)とLiCIO_40.3mol/lジメトキシエタン(DME)の2種類の溶液を用いてGe製ATRプリズム底面に電気化学的にLiを析出させ、赤外スペクトルの測定を行った。Liの析出はサイクリックボルタモグラムおよび電位-反射率曲線から確認した。これまでLi電極表面の研究は、電気化学的測定、電子顕微鏡による構造の観測、通常の赤外分光法による比較的多量に存在する科学種の観測等の研究しか行われておらず、Li表面での反応を分子レベルで理解するためのin situ測定は存在しなかった。本研究では、PCを用いた場合にLi析出後のスペクトルに2970,1260,1020cm^<-1>に新たなるピークが観測された。これらのピークはPCの分解生成物に帰属されるが、しかし、吸収強度の入射角依存性が1260cm^<-1>と2970,1020cm^<-1>のピークでは大きく異なっており、2970と1020cm^<-1>のピークの入射角依存性は、これらのピークが表面電場増大によって初めて観測されたことを示しておりLi表面吸着種によるものであることがわかる。一方、1260cm^<-1>のピークに帰属されるのは溶液中に多量に存在する化学種である。また、DMEを用いた場合には3200cm^<-1>に水に関連した分子の吸着による吸収対が確認された。以上のことから、Li を用いた赤外電磁場分光法が実現されたことが確認された。今後は、電解質や電解液の違いによる反応の差を明らかにしLi電極反応の分子レベルでの理解を進めて行く。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)