Project/Area Number |
05750061
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied physics, general
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
平栗 健二 東京電機大学, 理工学部, 講師 (60225505)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | ダイヤモンド / 核発生 / 成長速度 / 基板表面 / 酸化層 / 熱処理 |
Research Abstract |
低圧気相合成ダイヤモンドの核発生密度や成長速度は、基板の表面状態に大きく影響を受けることが知られている。特に、酸化物や炭化物を形成する基板では、極表面の酸化度、炭化度によりダイヤモンドの成長状態や核発生密度が顕著に異なる。そこで、Si基板を前処理として酸化や炭化させ、その基板上でのダイヤモンドの成長過程を観察検討した。 Si基板上に存在する酸化層の除去は、HF溶液により行った。また、除去後のSiウエハを大気中で自然酸化させた試料を基板に用いた。酸化層の厚さを数百nm程度にするため、水蒸気雰囲気中で電気炉により熱酸化処理を施した。これらSi基板表面に存在する酸化層厚の異なるSi基板上にホットフィラメントCVD法によりダイヤモンドを合成した。基板の表面状態やダイヤモンド成長の観察は、SEMにより行った。合成前後の基板表面状態および基板内部の組成を検討するためにXPSにより分析した。 XPSによりArスパッタリングで測定したSi基板のダイヤモンドの合成前後の深さ方向組成変化を考察すると、合成前のSi基板には表面付近に自然酸化層が存在するが、ダイヤモンド合成後には消滅することが分かる。酸化層の厚さに対するダイヤモンド核発生密度の関係を調べると、酸化層厚に対してダイヤモンドの核密度は、単調に増加するがその後急激に減少する。この実験結果からSi基板上でのダイヤモンド核形成には、数nm程度の酸化層厚が適していることが分かる。これまでの研究成果から基板の前処理として炭化することによってダイヤモンドの核形成に多大な影響があることが分かっている。ダイヤモンド合成前後のSi基板および炭化処理基板のSi_<2P>ピークを比較すると、ダイヤモンド合成基板と炭化処理基板の表面にはSiC層が存在し、よく似ていることが分かる。これらの結果から、ダイヤモンドの核発生には酸化層の存在とその後の反応による炭化層の形成が重要な働きをしていることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)