複数の反応拡散系の弱い結合による高次パタンの形成に関する研究
Project/Area Number |
05750067
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Engineering fundamentals
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉田 耕治 大阪大学, ・基礎工学部, 講師 (40170071)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 反応拡散方程式 / 位相方程式 / フィイズ・ダイナミクス / 位相同調 / パタン形成 |
Research Abstract |
生物組織上の化学反応を記述する反応拡散方程式は,生物の模様や構造の形成モデルとして注目され,数学的にも一様で定常な非線形系の内で取扱の容易な例として極めて重要である.しかし反応拡散系の生成できる模様は現段階では縞模様や斑点など単純なものに限られ,実際の生物の複数な模様や高次の構造を再現することはできていない. 本研究では,複数の系を組み合わせて,より高次の複雑なパタンを生成する理論を構築した.まず高次のパタンを生成するためのいわば部品となる基礎的なパタンを生成する反応拡散系を二つ作る.つぎにふたつの系の間に微弱な相互作用を設定する.この相互作用は二つの系の各々が本来持っているパタンを殆ど変化させず,相互の位置関係だけにゆるやかな変化を起こす.これは反応拡散系が一様であるために,全ての安定定常解が波形安定性を持つからである.この現象は自励的な非線形振動子間の位相同調とよく似ているため,このアナロジーを利用した理論解析が可能であり,どのような相互作用がどの様な位置関係を安定化するかを予測することができる. 我々はまず,この理論を斑点と針の引き込みに応用して,ハリセンボンの針と斑点の分布の間に見られる対応関係を,一見例外のように見られる現象まで含めて無理無く説明した.つぎに同じ理論を斑点と縞模様の引き込みに応用して,いままで生成が不可能とされていた,アメリカスジハタリスの美しい模様を生成することに成功した.
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)