マルチレイヤーFEMによる連続繊維強化複合材料積層板のはく離進展と破壊挙動の解析
Project/Area Number |
05750072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神谷 庄司 東北大学, 工学部, 講師 (00204628)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 複合材料 / 連続繊維強度複合材料席層板 / 繊維配向角 / 層間はく離 / ひずみエネルギー解放率 / 破壊挙動 |
Research Abstract |
本研究では、任意の積層構成を有する連続繊維強化複合材料積層板の応力集中部での破壊に対し、層間はく離領域の拡大の解析に基づく破壊挙動予測手法の開発を行った。積層板は応力集中部に置いて非常に複雑な破壊挙動を示し、形成されるはく離領域の形状も積層構成に強く依存する。しかし、破壊過程における繊維破断が常にはく離領域内で発生するという実験事実から考えて、はく離領域の形状、大きさが、積層板の破壊に対して重要な役割を演じていることは疑い得ない。本研究でははく離の進展を解析するため、古典積層理論に基づき、はく離前縁上の微小区間でのエネルギー開放率を与える式を導出した。また、層間はく離と層内き裂とが相互に干渉するはく離領域内部の状態を繊維方向のフレーム部材としてモデル化し、繊維破断の確率課程の評価を可能とした。さらに、任意形状のはく離領域を有する積層板において、このモデルを具体的に計算してはく離前縁に沿ったエネルギー解放率の分布を求めるため、各層の繊維配向方向に対応した弾性定数を持つ二次元要素を層の数だけ重ねて計算を行う、マルチレイヤー有限要素法を開発した。エネルギー開放率一定の条件に基づき行ったはく離領域拡大のシュミレーションは、その形状変化をも含めて、実験によって得られた実際の積層板の破壊挙動を極めてよく再現するものであった。また種々の積層構成を有する積層板についてのシュミレーション結果から得られた破壊強度の値は、極めて広い範囲の繊維配向角の変化に対しても、予想値として十分な精度を有する殊が確認された。本研究において提示した破壊挙動の予測手法は、はく離前縁でのエネルギー解放という積層板の破壊の本質に立脚したものであり、従来にはない広範な適用性を有している。強度評価手法としてはもちろん、積層板の設計という観点からも、本手法は非常に有用なツールを提供し得るものである。
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Report
(1 results)
Research Products
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