Project/Area Number |
05750081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中山 栄浩 山梨大学, 工学部, 助手 (40227971)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 薄膜 / 残留応力 / X線応力測定 / 堆積 / 電子デバイス |
Research Abstract |
電子デバイス部品の進歩は著しく、多機能、高性能化と共に更なるコンパクト化が望まれている。同時に、製品の安定性を高めることに主眼をおいた技術開発がなされている。本研究は薄膜堆積により製造された電子デバイスに生ずる残留応力を、X線を利用して精度高く測定することを第1目標として研究を進めた。また研究を実施するに当たっては、従来から検討を加えているアルミニウムの表面残留応力を測定する際に手法を参考に実験を進めた。 今回用いた試料は、実際に加速度計として用いられている電子デバイスと同様な膜構成を有するものでありる、シリコン・ウエハ-(厚さ:525mum)上にSiO_2酸化膜(厚さ:0.1mum)およびSi_3N_4窒化膜(厚さ:0・05〜0.15mum)を堆積したものである。 先ず残留応力を測定する適切な回析面を決定するために試料のX線プロファイルを通常の方法により測定した。測定結果に依れば、基板であるシリコンの回析ピークは確認できたものの、酸化膜あるいは窒化膜に対応する回析ピークは測定できなかった。このことは、本研究で用いた堆積膜の厚さが非常に小さいためであり、通常の測定方法では残留応力の測定に十分な回析強度が得られないことが明らかとなった。そこでX線を低角で入射させ(低角度入射法)、表面部のみで回析を生じさせることにより、堆積膜のみの回析線を得ようと試みた。このような観点から堆積膜による回析線を得ようとしたが、用いたX線回析装置の仕様とも関連して、実施した総てのX線入射角で堆積膜による回析線を測定することはできなかった。この原因として、堆積膜が強度の優先方位を有することも考えられるが、膜の堆積厚さが非常に小さいことが最も大きく影響しているものと思われた。薄膜の残留応力を測定した報告は幾つかみられるが、それらの報告は何れも堆積膜の厚さが数mumである試料を対象としている。本研究で用いたような堆積膜の厚さが非常に小さい試料(0.1mum程度)に対しては、従来薄膜の応力測定に採用されている低角度入射法を用いてもプロファイルを測定できないため、別の観点から検討することが必要と思われた。
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