Research Abstract |
フラクトグラフィは,事故原因・破壊機構を明らかにするうえで,なくてはならない手段として重用されている。しかし,フラクトグラフィ解析には,長年の経験を必要とし,また定量解析には,膨大な労力・時間を要するため,多くの解析は定性的解析に留まっている。そこで,本研究では,ニューラルネットワークを用いて,破面性状を自動認識するシステムの構築とそのネットワークの破面認識に対する有用性を指摘した。対象とした破面は,金属破面の典型的なものとして,ストライエーション,等軸ディンプル,伸長型ディンプル,粒内疲労破面,粒界割れ,へき開割れを取り上げた。ここでは,フーリェパワースペクトル,一般化共起行列,濃度共起行列を用いて,各破面の特徴を抽出した後(テクスチャ解析),各破面を自動認識可能なニューラルネットワークを構築した。つぎに,ネットワーク構造の最適化および学習回数の認識結果に及ぼす影響について考察を加えるとともに,学習データと異なる入力データに対しても破面認識が十分に可能となるアルゴリズムとして,各破面を認識するニューラルネットワークをツリー状に配置するネットワーク網を提案し,実用上十分な精度で破面認識が可能となることを示した。
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