Project/Area Number |
05750094
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
納所 孝至 岡山県立大学, 情報工学部, 講師 (80208298)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 自由表面あれ / 繰返し塑性変形 / 微視的不均一変形 |
Research Abstract |
本研究では塑性加工品の自由表面あれの問題に関し、工業用純鉄を用いて繰り返し塑性ひずみ試験を実施し、触針式粗さ計と走査型電子顕微鏡によって表面あれと微視的変形機構の関係を3次元的に解析した結果、以下のことを明らかにした。 (1)表面粗さは繰返し変形に伴って増減を繰返し、繰返し変形1/2サイクルで表面粗さの増減の1周期を形成する。 (2)表面あれは繰返しに伴って徐々に累積する。 (3)結晶粒との関係でみると、表面あれば変形に対して弱い特定の結晶粒を中心にして、優先的に変形し、凹凸を繰返す。 (4)微視的な表面あれ形状の凹凸は、繰返しの初期においては負荷ひずみの反転に伴ってかなり正確に反転する。しかし、繰返し数に伴って反転の度合いは徐々に低下する。 さらに、このような塑性変形に伴う表面あれは、微視的不均一変形 に起因することが明らかにされており、本研究では微視的不均一変形の一因として結晶方位に注目し、個々の結晶粒の方位と表面あれの関係についても検討した。その結果、 (5)繰返し変形に伴って優先的に凹凸の反転を繰返すのは、シュミット因子が大きく変形し易い結晶粒であったが、繰返し変形を受けてもあまり表面あれの生じな結晶粒は、シュミット因子が大きい場合と小さい場合の2通りがあり、個々の結晶粒の変形し易さと表面あれの大小には必ずしも対応関係がなかった。 この結果は、微視的不均一変形と表面あれの関係を検討する場合、隣接結晶粒の影響も併せて検討すべきことを示唆するものである。今後このような観点からのデータも集積し、論文にまとめて公表する予定である。なお、これらの結果は、平成6年3月、日本機械学会中国四国支部総会・講演会で報告した。
|