短繊維強化射出成形品の損傷過程の観察とその変形・破壊解析への損傷力学の適用
Project/Area Number |
05750099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐野村 幸夫 玉川大学, 工学部, 講師 (80162527)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 短繊維強化熱可塑性プラスチック / 射出成形品 / 損傷力学 / 変形と破壊挙動 / 繊維配向分布 / 力学的挙動の模型化 / その場観察 |
Research Abstract |
短繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)は、射出成形法によって高精度な成形品が比較的短時間で得られる。しかも高比強度・高靱性の製品となるので、現在広く市場に出回っている。しかし、その変形と破壊挙動を詳細に検討し、力学的挙動を模型化する研究はこれまで十分に行われていない。そこで本研究では、FRTPの損傷と破壊過程を準微視的に明らかにし、損傷力学を用いて連続体力学理論の枠組みでその力学的挙動を模型化することを目的とした。 まずt3×70×70の板状射出成形金型を試作した。その金型に市販のガラス繊維強化ポリカーボネートを射出し、試験片とした。繊維含有率は30wt%であり、面内でほぼ均一に分布していた。ペレットのガラス繊維の直径は11mum、長さの平均値は260mumであるが、射出成形後ガラス繊維の破砕によって190mum程度に短くなった。面内の繊維配向分布は、ほぼ一様と考えられる領域が存在するけれども、特にゲートと金型付近の配向は大きく異なっている。さらに板厚方向の繊維配向分布は、スキン層、中間層ならびにコア層で全く異なることがわかった。すなわち流れ方向に対して、スキン層ではランダム、中間層では平行、コア層では垂直に分布していた。 つぎに流れ方向に対して種々の方向に切り出し、引張試験を行った。その結果流れ方向と平行な方向が最も強度が高く、垂直な方向は最も低いことがわかった。したがって、この射出成形品は中間層の繊維配向分布が強度の支配的因子となっていると考えられる。 現在、負荷中での試験片表面の損傷過程を観察しており、その損傷状態の評価手法を検討中である。また損傷力学を用いた定式化の原案をほぼ整理した。しかし実験的な検討がまだ不十分である。今後引続き研究を進めて、当初の目標を達成したい。
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Report
(1 results)
Research Products
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