Research Abstract |
本研究は金型加工の自動工程設計を確立するため,金型加工技術者の経験・知識を基に金型曲面を加工方法の観点から識別分類することを目的として行われ,以下の成果が得られた。 1.金型加工面の識別分類の基準 当初の計画では,金型加工技術者の経験・知識をアンケートおよびインタビューにより収集する予定であったが,アンケートでの収集が容易ではなかったため,インタビューにより行った。この結果として,金型加工面を切削加工面と放電加工面に識別分類することとし,その基準は「加工の可能性」と「加工時間」によることとした。 2.離散的位置および単位法線ベクトルによる金型曲面形状の識別分類 金型曲面上の離散的位置および単位法線ベクトルデータから,同曲面形状を平面,円筒,球,円錐,円環,自由曲面に識別分類するシステムを開発した。 3.切削加工面と放電加工面の識別分類 次の手順により,金型加工面を切削加工面と放電加工面に識別分類する。 (1)切削加工不可能面(領域)の抽出による放電加工面の識別分類 金型加工面の等高線データを生成し,それぞれの断面に対して,保有している切削工具の工具径,工具長から判断して,切削加工では形成できない面(領域)を抽出する。これにより抽出された面は放電加工面として識別分類される。 (2)加工時間見積もりによる切削加工面と放電加工面の識別分類 切削加工不可能面(領域)として識別されなかった面(切削可能面)に対して,同面の加工に要する切削加工時間と放電加工時間を見積もり,加工時間の短い加工方法により加工される面として識別分類する。 4.今後の研究の展開 保有している工作機械の稼働状況を含めた識別分類方法を検討する。
|