Project/Area Number |
05750142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 勇 新潟大学, 工学部, 助教授 (30159082)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 極低温 / 摩擦発熱 / 真実接触面積 / PET |
Research Abstract |
本研究は、液体He(温度4K)環境中における固体接触面間の摩擦発熱による温度上昇を正確に評価する技術を確立することを目的とした。表面には微小な凹凸が存在するために真実接触はこの微小な凸部で生じる。垂直荷重が真実接触部に集中するため、摩擦発熱量も真実接触部に集中し著しく温度を上昇させと考えられる。このことは理解されながらも、真実接触部のサイズ及び面分布を測定する良い方法が無いため、全面均一接触を仮定して温度上昇の解析がなされたいた。そこで、申請者が考案したPET薄膜(0.9mum厚)を用いた測定方法によって摩擦面の真実接触部の大きさと分布を正確に測定した。測定対象としては、金属試験片の研削面同士とGFRP同士とした。PET薄膜を固定表面間の間に挟んで加圧し、薄膜についた圧痕を真実接触面積と仮定した。一方で、光学顕微鏡を改良した接触面顕微鏡により試験片表面と光学プリズム面との真実接触面積の分布を求め、PET薄膜を用いた測定値と比較した結果、この仮定が正しいことが確認された。したがって、PET薄膜を用いる方法により従来困難とされていた真実接触面積の分布を求めることが可能になった。次のステップとして、測定された真実接触点のサイズと面分布のデータを基に、今回購入したワークステーションを用いて有限要素法で液体He環境下での温度上昇を計算した。有限要素法プログラムとして、20節点8面体アイソパラメトリック要素を用いた3次元非定常解析が可能なものを作成した。本研究室では液体He中で摩擦発熱実験を行う設備がないので、他機関で行った実験テ-タをシミュレーションすることにした。試験片材料として極低温構造用鋼JM1を用い、その研削面同士の真実接触面積の分布を測定し、それをもとに温度上昇を計算した。この計算は大変時間がかかるので、現時点では完了していない。本研究の成果は、今年の日本機械学会の秋の全国大会で発表予定である。 将来的には、固体の熱的物性値や表面あらさ及び摩擦速度より温度上昇が計算可能となることを目指す。
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