Research Abstract |
1.液滴凍結実験装置の製作 冷却面上および寒冷気流中の液滴凍結挙動を観察するために,二種類の実験装置を作製した.冷却壁上における凍結実験では,冷却面(銅板)を冷却液容器の上部に設置し,銅板を所定の温度に冷却できる構造とした.一方,寒冷気流中における凍結実験では,透明アクリル板にて作製した試験部を,低温風洞内に設置し,中央には,液滴を滴下するための銅板を固定した.銅板内部には,ステンレス箔ヒ-タを挿入し,銅板温度を制御した. 2.研究結果および特記すべき点 試験液体は,純水,塩水,およびエチレングリコール水溶液を用い,液滴の凍結挙動に及ぼす水溶液濃度,冷却面温度,気流温度,および気流速度の効果について検討した.さらに,液滴内にアルミ粉末トレーサーを入れて可視化を行ない,液滴内部流動の観察を行なった.その結果,以下のことが明らかになった. (1)純水滴の凍結では,最終凍結位置に突起が生じる特徴的な形状となる.一方,水溶液滴では,凍結界面から溶質が析出するため,表面張力の濃度依存性の差異により,凍結形状は大きく異なり,濃度の増加にしたがい表面張力が減少するエチレングリコール水溶液の場合には,液滴表面にくびれが生じる. (2)水溶液濃度および冷却壁温度の影響により,頂点の突起およびくびれの位置など液滴凍結形状が異なる. (3)寒冷気流中における液滴の最終凍結位置は,主に気流と壁面への凍結潜熱の移動割合により定まる.
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