高温超伝導薄膜の超高速ミリ波スイッチング特性の評価
Project/Area Number |
05750286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 景三 新潟大学, 工学部, 助教授 (00194811)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導薄膜 / スイッチング / ミリ波透過電力 / ミリ波空洞 |
Research Abstract |
Y-Ba-Cu-O(YBCO)酸化物高温超伝導薄膜の光応答特性について評価し、この超伝導薄膜の超伝導-常伝導転移を利用してミリ波の超高速スイッチングを特性を得ることが本研究の目的であった。厚さ0.2mumのYBCO超伝導薄膜を0.5mm×15mm×15mmの単結晶MgO(100)基板上にレーザアブレーション法により作製した。この膜は基板面に垂直な強いc軸配向した単結晶薄膜で、臨界温度は約90kであった。次に共振周波数24.0GHzのTE_<011>モード銅製円筒空洞(直径15.8mm、長さ23.8mm)を設計・作製し、このミリ波空洞の一方の短絡板中央に直径8mmの穴を設け、この部分にYBCO超伝導薄膜を取り付けた。この空洞の無負荷Q値を測定した結果、Q値は温度の低下と共に上昇し、室温で1.3×10^3、20kで2.6×10^3となった。また、ミリ波透過電力を測定した結果、透過電力は超伝導転移温度の90k程度までは温度の低下と共にほぼ直線的に減少しており、その後急激に減少し、50k程度以下になるとほとんで透過しなくなった。この特性は、2.84GHzの転移温度以下でほとんど透過しなくなる実験結果とは異なり、周波数が高くなったことにより表面抵抗が大きくなり特性があまり良くない。すなわち、良好なミリ波スイッチング特性を得るためにはかなり低温で使用しなければならないことがわかった。さらに、パルス時間幅10ns、波長1.06mumのQスイッチNd:YAGレーザ光パルスをYBCO薄膜に照射し超伝導-常伝導移転させ、空洞内のミリ波エネルギーを外部回路に取り出すことでミリ波スイッチング特性を評価した。その結果、90k以下ではミリ波スイッチングが可能なことが示され、低温ほど特性が良いことがわかった。今後は、多結晶薄膜のミリ波スイッチング特性等の評価を行い、超高速スイッチングとなる条件を検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)