Project/Area Number |
05750291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 励治 大阪大学, 工学部, 助手 (60221503)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | SiO_2 / 電子ビーム / 電子輸送 / 絶縁破壊 |
Research Abstract |
試料に電子ビームを定常的に照射できる真空電子ビーム照射装置を作成した。電子ビームの加速電圧は最高30kVでビーム線量は最高10muAである。当初の計画では電子ビームを数ナノ秒のパルス幅にして照射し、試料内のキャリアのタイム・オブ・フライト測定を行う予定であったが十分なビーム量とパレス幅を得るのが難しく、現在装置の鋭意改良中である。そこで本年度は定常的にビームを照射し実験を行った。この場合でも測定としては新しく十分に意味のある測定となった。 まず、高い透過性を持つ板状の合成石英ガラス(25mm×25mm×2mm)の表面に半透明、裏面に厚膜の金属電極(Au)を蒸着し、表面から電子ビームを照射しながら電極間の電圧-電流特性を調べた。合成石英ガラスはシリコン酸化膜と制作方法が異なるが同じ物質と考えられる。この時得られた電圧-電流特性より合成石英ガラス内での伝導電子の移動度と再結合寿命の積の値と、一個の高エネルギーを持つ電子が試料内でいくつの電子正孔対を生成するかを見積もることができた。その値は室温、加速電圧5kVにおいてそれぞれ7×10^<-4>cm^2/V、200であった。また、正孔についても試料電圧を逆にして測定したが、正孔の伝導による電流が流れず極端に移動度寿命積が小さいことを得た。 また、薄膜のシリコン熱酸化膜においても同様な実験を行った。その結果は伝導キャリアによる電流は流れなかった。これは熱酸化膜における移動度寿命積が非常に小さいということであろう。したがって、同じ材料である酸化珪素でも製作方法で移動度または寿命の値が大きく変化すると考えられる。近日、これらの結果をまとめ報告する予定である。
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