Research Abstract |
本研究は,遺伝的アルゴリズムによる概念学習システムの構築を目標としており,この実現のために以下の課題に取り組んだ. 1.遺伝的アルゴリズムによる単一概念学習のアルゴリズム構成 2.局所探索の導入による解探索の効率化 3.複数概念学習問題へのアルゴリズムの拡張 4.問題領域変更を含んだ遺伝的アルゴリズムによる概念学習方の構成 課題1については,問題の定式化を行い,それに基づいた遺伝的アルゴリズムをベースとした概念学習アルゴリズムの構築を終了した.また,構築したアルゴリズムの有効性を検証するための計算機実験を行い,比較的良好な結果を得ることが出来た. 課題2については,交叉および突然変異のと呼ばれる操作に対して,問題の知識構造を利用した新しい方法を導入することでアルゴリズムを改良し,解探索の効率化を図った.この点についても計算機実験において良好な結果を得ることが出来た. 課題3については,適応度評価関数に正例密度という新しい概念を導入することで複数概念問題(選言的概念記述)を扱うことが可能であることを明らかにした.また,具体的な適応度関数を定義してアルゴリズムを拡張し,選言的概念獲得システムを構築した.これについても簡単な計算機実験を行い,その有効性を確認している. 以上の成果については,日本機械学会第3回インテリジェントシステムシンポジウムにおいて発表を行っている. 課題4については現在検討中である.また研究を進める過程で,今回構築したアルゴリズムが正提示からの概念学習についても有効であることが判り,現在確認のための計算機実験の準備を進めている.
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